惑星からの逃走線

読書記録や研究上で思いついたこと、日々の雑感など。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

人間の条件と,死者を想起すること。

最近,5年前に亡くなった母方の祖父を思い出すことが多い。 理由ははっきりしていて,同じような別れを母方の祖母とする日が,そう遠くない――もちろん,明日か10年後かは分かる由もないが――だろうという,漠たる予感があるのだ。 人間にとって,やはり死は受…

ハンセン病―排除・差別・隔離の歴史 作者: 沖浦和光,徳永進 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2001/11/15 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る 私は電車の中で,図書館から借りたハンセン病の隔離の歴史についての本を読ん…

記憶の『読み方について』

『既在性』という,ハイデッガーの用語を知った。「記憶とは過去の事象を表すものであり,既に存在しないが記憶の想起は現在に属する事象である」ことを指し示すものであるらしい。 一般に記憶は,過去の事象の痕跡と,それの読み方から構成される,と思う。…

頭の中の真珠

自分自身がものすごく辛かった時期のことを懐かしさをもって回想していることに気づいた。 アコヤ貝は自身に侵入した異物から身を守るために異物を真珠に変えてしまうが,人間の精神も不快な記憶を『想い出』という形に変えてしまうのかもしれない,そういう…

自分がクズだと思うのをやめた

といっても,突然実際にクズでなくなるわけにもならず。 とはいえ,これは小さいながらも重要な気がする。直観だが。

神の視点と人間という存在者

西川アサキ氏という,かなり恐るべき著者がいる。 魂のレイヤー―社会システムから心身問題へ 作者: 西川アサキ 出版社/メーカー: 青土社 発売日: 2014/05/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 魂と体、脳 計算機とドゥルーズで考える心身…

社会科学者の人文学に対する観方

どうも,学問として探究対象が被っているという事実にも起因するのだろうか,社会科学者の人文学に対する意識って少し歪な部分があるような気がする。具体的には, 社会科学の方が,数理的厳密性において優れているとして社会科学の優位を信じている社会科学…

大事な大事な(天空への)アタックチャ〜ンス

ふと思ったが,もしも今最も人口増加が甚だしいアフリカや南アジアといった地域でも人口ボーナスが人口オーナスに転じたら,どうなるであろうか。 資源の消費はある程度抑制されるだろうから「環境には優しい」のかもしれないが,要は地球全体が今の日本とか…