惑星からの逃走線

読書記録や研究上で思いついたこと、日々の雑感など。

2014-10-19から1日間の記事一覧

ラピュタ帝国の興亡

「バルス!」 そう、皆大好き天空の城ラピュタである。だが、私としてはあの物語は不完全だと思っている。 別にグラサンロリコンが世界征服を試みようと、ドーラ一家が財宝を狙おうとパズーとシータがリア充していようと構わないが、宮﨑駿は一つだけ忘れ物…

E. トッド「世界の多様性」をC. ヘンペルのDNモデルに照らし合わせる

エマニュエル・トッドという人名を、聞いたことがある方も多いと思われる。 人口学的な分析から現代世界の抱える様々な側面を斬新に分析したことで知られる、有名な人類学者(ただし、本人は人類学者と呼ばれることを嫌っているが)である。 世界の多様性 家族…

現代史・近代史はともかく、現代の社会を考える上で中世とか増してや古代史を学ぶ必要ってあるのか?

といったようなことを考えてみたい。 「賢者は歴史に学び、凡人は経験に学び、愚者は何も学ばない」 という警句にある通り、歴史に、即ち自他を問わない過去の経験に学ぶのはとても良いやり方であるというのは論を俟たない。 だが、(非常に卑近な意味で)歴史…

K. ポパー「歴史主義の貧困」は一文で要約できる。

要約しよう。カール・ポパーが「歴史主義の貧困」で主張したことは一つ、 「人類の歴史の進展は、人間が獲得した知識に大きく左右され、そして『明日知るはずのことを今日知ることはできない』ので、社会については未来の予測が原理的にできない」 というも…