社会科学者の人文学に対する観方
どうも,学問として探究対象が被っているという事実にも起因するのだろうか,社会科学者の人文学に対する意識って少し歪な部分があるような気がする。具体的には,
- 社会科学の方が,数理的厳密性において優れているとして社会科学の優位を信じている社会科学者が多い印象。たしかに,数理的な厳密性は社会科学の方がずっと高いが,人間の精神や行動は必ずしも数理的厳密性を以てモデリングできるとは限らない。無論,数理的厳密性を以てモデリングできる部分は全てそうするべきではある。
- 社会科学は実学であり,人文学は虚学であるという考え。たしかに多くの人文学は金銭的な成功をもたらしてはくれないが,価値というのは金銭的なものだけではない……非常に通俗的な言い方ではあるが。
といった印象を受ける。