歴史
我々はいかにして過去を認識しているのか。 というのも,過日に集合的記憶論についてちょっとした発表をしたのだが,少しだけ『歴史』とは「事実生起した事物」という意味か,それとも我々の間主観あるいは主観としての過去に対する表象か,という論点が提出…
ci.nii.ac.jp こういう論文を偶然見つけた。 バナバ,という島が,現キリバス共和国にある。そこは良質の燐鉱石を産出したことから,悲劇が始まった。以下は,主に当該の論文を参考にした,私なりの解釈も含んだバナバとその民の歴史だ。 もともとこの島に住…
たぶん,小数点以下を四捨五入すれば掲題の通りになると思う(ちゃんと統計とったわけではなく,私の直感だけど) こんにち,「他民族に対し犯罪(戦争犯罪・虐殺・民族浄化など)を働いたことがない民族」などというのはごく一部の狩猟採集民ぐらいのものであろ…
というわけで、たぶん日本でどれだけ需要があるかわからないような情報を、気まぐれに上げてみよう。 今回紹介するのは掲題の通り、ユネスコが出版している『アフリカの歴史』の英語版である。驚くべきことに、多少古いとはいえかなりの水準のアフリカ史総説…
小林道憲著、「歴史哲学への招待:生命パラダイムから考える」を読んでいると、以下のような記述があった。 歴史哲学への招待―生命パラダイムから考える (MINERVA歴史・文化ライブラリー) 作者: 小林道憲 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房 発売日: 2013/04 …
イノベーションは万人にとって良いものだろうか? ほとんどの人にとって、ある種のイノベーションはとてもありがたいものである。特に、我々の生活の質を向上させるようなものは人々に大きく歓迎される。 これは当然であるが、ではイノベーションを歓迎しな…
蔀勇造「歴史意識の芽生えと歴史記述の始まり」は日本語で書かれた手頃な価格の本としては珍しい史学史をテーマとしたものである。 歴史意識の芽生えと歴史記述の始まり (世界史リブレット) 作者: 蔀勇造 出版社/メーカー: 山川出版社 発売日: 2004/10 メデ…
UNESCOが主導する、"General History of Africa"という名の壮大なプロジェクトがある。 General History of Africa | United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization General History of Africa - Wikipedia, the free encyclopedia 196…
要は、ある地域でどの程度の量、歴史的な情報が現代に伝えられたか。 たぶん、これをプロットすれば(するだけでも)相当に面白いのではないか。 当然、古い時代の史資料ほど残存率が低くなるのは容易に推測可能だし、戦乱等の混乱がある度にガクッと史資料情…
エマニュエル・トッドという人名を、聞いたことがある方も多いと思われる。 人口学的な分析から現代世界の抱える様々な側面を斬新に分析したことで知られる、有名な人類学者(ただし、本人は人類学者と呼ばれることを嫌っているが)である。 世界の多様性 家族…
といったようなことを考えてみたい。 「賢者は歴史に学び、凡人は経験に学び、愚者は何も学ばない」 という警句にある通り、歴史に、即ち自他を問わない過去の経験に学ぶのはとても良いやり方であるというのは論を俟たない。 だが、(非常に卑近な意味で)歴史…
要約しよう。カール・ポパーが「歴史主義の貧困」で主張したことは一つ、 「人類の歴史の進展は、人間が獲得した知識に大きく左右され、そして『明日知るはずのことを今日知ることはできない』ので、社会については未来の予測が原理的にできない」 というも…
I. ウォーラーステインの「入門・世界システム分析」を読んでいて遭遇した、史的システムなる言葉が今一つ分からない。 一応、用語解説に「史的システム」の項はある。 (前略) あらゆる社会システムが、システム的である(記述可能な持続的特徴を有する)と同…