惑星からの逃走線

読書記録や研究上で思いついたこと、日々の雑感など。

人類学

バナバ人という民

ci.nii.ac.jp こういう論文を偶然見つけた。 バナバ,という島が,現キリバス共和国にある。そこは良質の燐鉱石を産出したことから,悲劇が始まった。以下は,主に当該の論文を参考にした,私なりの解釈も含んだバナバとその民の歴史だ。 もともとこの島に住…

ムルンギン族の婚姻体系は何処から発生した?

レヴィ=ストロース「親族の基本構造」第14章は一部の人々にとって興味深いものだ。 実はこの章はレヴィ=ストロース自身が書いたものではなく、数学者アンドレ・ヴェイユが書いた。彼はこの箇所で、オーストラリア・アボリジナルの一部族「ムルンギン」の婚姻…

地球外知的生命体と人類は邂逅できるのか?――「宇宙人類学の挑戦」

仮に地球外知的生命体がいたとして、我々は(そして彼らも)相手を「知性を持った存在として」認識できるだろうか。 この問題について、先日読んだ「宇宙人類学の挑戦」に結構詳しく書いてあった。 宇宙人類学の挑戦―人類の未来を問う 作者: 岡田浩樹,木村大治…

E. トッド「世界の多様性」をC. ヘンペルのDNモデルに照らし合わせる

エマニュエル・トッドという人名を、聞いたことがある方も多いと思われる。 人口学的な分析から現代世界の抱える様々な側面を斬新に分析したことで知られる、有名な人類学者(ただし、本人は人類学者と呼ばれることを嫌っているが)である。 世界の多様性 家族…